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診療科・部門紹介

減量手術外来


減量手術とは

高度肥満が原因で高血圧、糖尿病、脂質異常症などの病気を併発している状態を肥満症といいます。 減量手術は、肥満症による健康障害に対して、これを防止、あるいは軽減することを目的に胃を小さく切除したりする手術です。手術の対象となる患者さんは、そのままだと近い将来、肥満による合併症が原因で命を落とすような危険性があり、内科的治療ではうまくいかなかった方々です。 肥満に伴う合併症は、糖尿病・高血圧症・高脂血症・脂肪肝・腰痛症・睡眠時無呼吸症候群などがあり、これらの発症・増悪の危険性の改善効果が期待できます。 近年、海外では肥満症に対する外科手術、減量手術がより積極的に行われるようになり、そのメリット(体重減少効果、リバウンドの回避、肥満関連合併症の改善など)が多数報告されています。ですから減量手術は脂肪吸引などの美容を目的とした手術とはまったく異なります。

手術適応

手術の適応となる方はBMI(=体重kg÷身長m÷身長m)が35以上で、糖尿病、高血圧症、脂質異常症などの肥満由来の合併症を1つ以上患っている方です。年齢は原則として18歳から65歳までです。

手術を受けることができない患者さん

  1. 手術や麻酔自体が危険な場合(重症の心臓病や肺疾患など)
  2. 肥満の原因が内分泌疾患や薬物による二次性肥満の場合
  3. 薬物依存の場合
  4. 神経・精神の疾患があり,治療を受けている場合

減量手術術式

  • 腹腔鏡下調節性胃バンディング手術
  • 腹腔鏡下胃バイパス手術
  • 腹腔鏡下胃スリーブ切除術(当院で行う手術です)
  • 腹腔鏡下胆膵路バイパス+十二指腸変換手術 等
当院での術式は腹腔鏡下胃スリーブ切除術となります。胃をバナナの様に細くします。容量は約1/10に縮小しますので、食事摂取量が制限され減量を目指します。

スリーブ手術の特徴

  1. 手術操作が単純明快である
  2. 栄養吸収機能障害がほとんどない
  3. これらの利点の割には肥満治療効果がよいこと、等があります。
そのため欧米人に比較して肥満の程度が軽い日本人には適していると言われており現在日本でもっとも行われている術式です。しかし逆に非常に高度な肥満の方や糖尿病などの期間が長い方はバイパス手術の方が比較的治療効果高いというデータもあり、ご相談により手術適応は決めさせていただきます。
また同手術を腹腔鏡下に行うことは腹壁などの正常組織の破壊が最小限にすみ、手術侵襲が大きく軽減されるため減量手術が急激に広まりつつある要因となっています。

手術費用について

2014年4月より「腹腔鏡下スリーブ状胃切除術」のみが認定施設で保険診療となっています。
当院は施設基準を満たしたため2017年2月より保険診療が可能となりました。
施設基準として当該手術を10例以上経験した術者が常勤していることや、外科又は消化器外科、麻酔科及び内科、循環器内科、内分泌内科、代謝内科又は糖尿病内科を標榜している保険医療機関であること、常勤麻酔標傍医、常勤栄養士が配置されていること、緊急手術体制が整備されていること等々が設定されており、これらのハードルから腹腔鏡下スリーブ胃切除術を保険診療として行える病院は全国的にも多くなく、東海3県では初であると認識しています。



当院で手術を受けるメリット

当院は総合病院であり、なるべく手術を安全に受けてもらうためのスタッフがそろっています(循環器内科、内分泌・糖尿病内科、腎臓内科、麻酔科、 栄養士、臨床心理士、ソーシャルワーカー、ICUなど)。

手術までの流れ

減量手術についてご相談を希望される方は専門外科外来を受診ください。そこで手術治療につき詳細にお話させていただきます。
手術が決まるまでは適応について複数のスタッフ(内科医、栄養士、麻酔科医)と面談していただきます。手術が決まりましたら、CT、胃カメラ、等の検査と術前になるべく減量するための栄養指導、運動療法があります。また1か月前からの禁煙が必要です。

術後経過

通常は術後翌日から歩行・飲水が可能です。しかし手術後しばらくは、食べたり飲んだりしにくい状態が続きます。自宅で十分に水分や食事がとれることを確認してから退院となります。入院中には術後の栄養指導もあります。

実施症例件数

当院では2015年11月より本邦で唯一の保険術式である腹腔鏡下スリーブ状胃切除術を導入しており、2023年12月現在で166例の手術を施行しています。
肥満外科手術の質や安全性を保つ目的で日本肥満症治療学会が定めた以下の施設基準を満たすため、肥満外科手術実施施設として認定されました。

1、 学会のデータベースへの登録。
2、 肥満外科手術症例数が20例以上。
3、 救急医療の資格を持った医師がいる。
4、 肥満外科治療に専念する医師がいる。
5、 安全に管理するために必要な設備が備えられている。
6、 チーム医療の実践。
7、 クリニカルパスと手技の定型化が行われている。
8、 教育行事(症例検討会,合併症検討会等)の定期開催。
9、 フォローアップ体制が構築。
10、患者サポートグループ
11、各種肥満症総合治療セミナーの受講。

最後に

減量手術にはある程度リスクを伴いますが、肥満状態のままでいることの方がはるかにリスクは高いということを理解してください。減量手術は楽をして痩せる方法ではありません。手術を機会に栄養面を含めたライフスタイルを改善して行くことが長期的にご自身の健康を守っていくことになります。

専門外来

日時:毎週水曜13時00分~16時00分…西棟1階 外科外来内
担当:内視鏡外科統括部長 石山聡治

お問い合わせ:外科外来 電話番号 0564‐66‐7440

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