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医療安全管理室 平成20年度活動概要

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平成20年度医療安全管理室の活動状況について報告します。

1.医療事故に関する原因の究明を行うこと

(1)  平成20年度のアクシデント報告書、ヒヤリ・ハット報告書は、4,076件提出され、前年度に比べ123件減少しました。
 
内訳
医局 58件
看護局   3,374件
薬局 460件
医療技術局 157件
事務局 27件
   看護局からの報告が3,374件と全体の82%を占めております。3,374件のうち、1,354件(40%)が患者さんご自身によるチューブの抜去でした。看護局リスクマネージャー委員会でチューブ抜去の減少に取り組みましたが、引き続き研究課題とし改善に努めたいと考えています。
(2)  医療安全に関する患者アンケート調査を実施しました。
   平成20年12月9日現在に入院中の患者さん及びそのご家族を対象にヒヤリとしたこと、ハッとしたことについてのアンケート調査を実施しました。「看護師を呼んでもなかなか来てくれなかった。」「輸液ポンプ本体のバッテリー交換目安が書き直されていない。」などのご指摘をいただきました。
 貴重なご意見・ご要望を関係部署に報告し、改善に努め、今後の医療安全に役立てていきます。
(3)  院内巡回を23回行い、229件の指摘事項があり、改善に努めました。

2.医療事故防止体制の整備に関すること

(1)  院内において、医療安全に関する内部監査を実施しました。
 医療安全管理活動全般について、院内で定められたルール、方針に適合しているか、また、そのルールが遵守され、継続的に行動されているか、院内4部署にて内部監査を実施しました。その結果、医療安全に関する基本事項及び個別監査事項は、各部署共周知されていましたが、一部軽微な不適合事項があったため、是正するよう指導しました。不適合事項については11月末にマニュアルが改訂され、是正されました。
(2)  患者さんの状態急変によるハリー・コール要請は41件あり、要請手順に従い医師、看護師が急変現場に駆けつけて、救命措置を行いました。
(3)  厚生労働省が進める医療安全対策ネットワーク整備事業(ヒヤリ・ハット事例収集事業)に参加し、情報提供を通じ、医療安全対策に有用な情報を共有し、医療安全対策の推進を図りました。

3.医療事故防止対策の策定及びその周知に関すること

(1)  医療事故防止マニュアルの改訂を行いました。

 電子カルテシステム内に掲載し、いつでも最新のものを確認できるように随時改訂を行い、マニュアルの充実を図りました。

(2)  次の医療事故防止対策を行いました。
ア.  化学療法で「点滴500ml 1回量400ml」など本来の量を減量した点滴指示で、流量を計算するときに減量に気付かず500mlで計算しないように、注射ラベルの薬液量に印を付けるようにして計算時の注意喚起を図りました。
イ.  放射線室関連の検査(血管撮影室での検査は除く。)で、入院患者さんが急変した場合の対策を策定しました。
ウ.  閉鎖式尿道カテーテルからの採尿方法を看護局リスクマネージャー委員会で周知しました。
エ.  循環器外来患者さんの来院が、診察のためか除細動のためかわかるように、診察予約枠に「検査前処置」欄を設け、診察予約患者一覧表で把握できるようにしました。
オ.  血糖測定忘れ、インスリン注射忘れを防止するために、患者さんのベッドボードに印をつけることにしました。
カ.  麻薬の院外処方箋発行が開始されましたが、調剤薬局のなかには麻薬を取り扱っていない薬局もあることから、岡崎市医師会ファックスコーナーで調剤薬局の麻薬取り扱いの有無を確認後に、麻薬の院外処方箋発行を行うことにしました。
キ.  処方オーダ発行後の薬袋修正は手書きで対応していましたが、修正忘れで調剤する可能性があるため、修正オーダ受付時に自動薬袋プリンターで発行することにしました。
ク.

 抗がん剤の調製を外来と一部の病棟でも行っていましたが、安全面からすべての抗がん剤の調製を薬局で行うことにしました。

ケ.  生化学検査のCK値(心筋梗塞等の指標)に高値が出た場合は、直接主治医へ連絡するように、パニックバリュー対応手順書に追加しました。
コ.  幹細胞保存用超低温フリーザーに温度監視システムを導入して、24時間の温度管理を可能にしました。
サ.  経管栄養チューブの気管内迷入による気胸、栄養の誤嚥性肺炎などの合併症防止のため、従来のスタイレット付き経管栄養チューブからより安全なスタイレットの無いタイプのチューブに変更しました。また、胃への確実な挿入が確認できない場合はレントゲン撮影でチューブの位置を確認すること、スタイレット付きチューブ挿入は必ず透視下で行うこと、気管などへ迷入した場合のチューブ抜去時の危険性などについて医師に周知しました。
(3)  医療安全に関する職員への情報提供及び医療事故防止のための注意事項などを掲載した情報紙「アクシデント・インフォメーション」を18回発行し、情報の周知に努めました。

4.その他医療事故防止に関すること

(1)  職員に対して医療安全に関する教育を行いました。
 
ア.  外部講師による院内講演会を2回開催し、計296名の職員が参加し、医療安全への意識を高めました。
イ.  1年目の研修医に対して1週間の研修を義務付け、午前中は受診相談や医療相談室の業務を体験させ、午後は過去に当院で報告された事例の紹介をしました。また、チーム医療に関する意識の高揚を図るため、薬局、臨床検査室、栄養管理室など医局以外の現場での研修を行いました。
ウ.  医療機器の取り扱いについて、臨床工学技士が主体となり学習会等を開催しました。
エ.  新規採用看護職員への「看護の安全性」に関するオリエンテーションを実施しました。
オ.  就業後3年目の看護師への医薬品に関する研修を行いました。
カ.  医薬品の取り扱いについての研修会を開催しました。

 
(2)  リスクマネージャー及び関係職員を院外のシンポジウム・講演会・講習会に参加させて知識の向上に努めました。
(3)  三河地区7病院の医療安全管理担当者による医療安全管理研修交流会に参加し、活動報告及び情報交換を行いました。
(4)  「医薬品の安全使用のための業務に関する手順書」の内容を一部改正しました。
■ 当院におけるアクシデントとヒヤリ・ハットの定義

アクシデント(医療事故)とは

 患者さんの疾患そのものではなく、医療行為(やるべきことを行わなかった場合を含む。)によって引き起こされた有害事象をアクシデントと定義します。また、アクシデントには「医療内容に問題があって起こったもの」(過失による事故)と「医療内容に問題がないにもかかわらず起こったもの」(過失のない事故)があり、前者を医療過誤と呼びます。

ヒヤリ・ハットとは

 患者さんに新たな治療が必要となる被害はなかったが、「ヒヤリ」としたり「ハッ」としたニアミス体験を定義します。その他、患者さんが廊下で転倒したような医療行為と直接関係しないもの及び患者さんでなく職員が負傷した場合も事故として取り扱うときもあります。