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診療科・部門紹介

腹腔鏡手術センター部


腹腔鏡手術センターのご案内

腹腔鏡手術は、体に数ヶ所小さな穴をあけ、そこからおなかの中(腹腔)や胸の中(胸腔)にカメラと手術器具を入れ、モニターを見ながら行う手術です。「きずが小さく痛みが少ない」「開腹手術と比較して回復が早い」「術後の癒着が少ない」など、患者さまにとってはメリットが大きな手術方法で近年急速に普及しています。当院でも症例数、対象疾患とも増加してきており多くの分野で標準術式となっています。 しかし、高度な技術を要するうえに使用する機器も多く、医師以外のスタッフにも専門性が求められる手術です。炭酸ガスの注入や、腹腔鏡モニターによる視野確保など、特殊な環境下での手術になるため、手術手技・介助、術中・術後管理も、従来の手術とは異なる点があります。そこで手術に関与するスタッフ全員が腹腔鏡手術に精通してどのようなことにも対応できるようセンター全体で協力して治療にあたっています。このことは手術手技の習熟を早め、良質な機材の確保も可能となり、より安全で質の高い医療につながると考えています。
腹腔鏡手術の利点
特長1:きずが小さく痛みが少ない
特長2:術後の回復が早い
特長3:入院期間が短くてすむ
特長4:もとの生活に早く戻れる
腹腔鏡手術の欠点
  • 専門的な技術が必要
  • 特殊医療器械設備を要する

診療科

外科 呼吸器外科 泌尿器科
産婦人科

当院で可能な腹腔鏡手術

外科

消化器外科部門
胃癌、炎症性腸疾患、虫垂炎、逆流性食道炎、アカラジア、 胃粘膜下腫瘍、結腸癌、直腸癌、潰瘍性大腸炎、十二指腸潰瘍穿孔、 鼠径ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニア、大腸憩室炎、食道癌、腸閉塞

肝胆膵外科部門
胆石症、肝腫瘍、脾機能亢進症、突発性血小板減少性紫斑病、膵腫瘍

内分泌外科部門
副腎腫瘍、クッシング症候群、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫、非機能性腫瘍


胸部外科

気胸 試験的肺腫瘍生検

泌尿器科

腎・尿管腫瘍、腎・尿管良性疾患

婦人科

異所性妊娠(=卵管妊娠などの子宮外妊娠)
卵管留水腫などの不妊症
子宮付属器の良性腫瘍(卵巣腫瘍、チョコレート嚢胞など)
子宮の良性腫瘍(子宮筋腫、子宮腺筋症など)
子宮頸部上皮内病変(CIN3など)
子宮内膜異型増殖症
子宮体癌(初期)
骨盤臓器脱(子宮脱、膀胱瘤、直腸瘤など)
帝王切開瘢痕症候群
子宮内膜症

スタッフ構成

チームは各科の腹腔鏡手術に精通した医師、手術室看護師、医療技術士、事務で構成されています。
消化器外科 石山 聡治 内視鏡外科統括部長兼腹腔鏡手術センター長
消化器外科 薮﨑 紀充 内視鏡外科部長
呼吸器外科 岡川 武日児 呼吸器外科統括部長
泌尿器科 長井 辰哉 副院長
産婦人科 森田 剛文 産婦人科部長
手術室看護師:4名│臨床工学士:2名│コーディネーター:2名

外来のご案内

中央受付にて新患受付の後、コーディネーター(受診相談看護師)にて 専門部門の外来にご案内します。

活動内容

  1. 腹腔鏡手術の地域への普及と啓蒙
  2. 学会活動を含めた学術活動
  3. マニュアルラボなどを活用した技術向上と教育、低侵襲手術の教育として、患者さんに安全・安心な手術の提供するための教育
  4. 共同での機器購入などのよるインフラのレベルアップ

診療実績

外科 腹腔鏡症例数

2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
腹腔鏡手術総数 全例 648 601 590 705 687
腹腔鏡下胆嚢摘出術 136 147 157 165 166
胆嚢摘出以外 全例 512 454 433 540 521
腹腔鏡下胃切除 37 36 42 45 43
腹腔鏡下大腸切除 143 133 111 139 121

腹腔鏡下手術のお話

腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術のお話

近年、鼠径ヘルニア、いわゆる脱腸の手術においても腹腔鏡で行われるようになってきました。腹部に3ミリから5ミリの孔を3か所あけ、腹腔内より根治術を行います。 傷が小さいため術後の疼痛が少なく、メッシュシートにて腸が脱出する穴を補強するため、術後の安静がほとんどいらないというメリットがあります。 従来法とは異なり全身麻酔で行うことになります。

手術創部の位置

手術風景

術中内視鏡画像

腹腔鏡下胃切除術のお話

胃癌に対する腹腔鏡下手術の技術の進歩は近年めざましいものがあります。当院では基本的にガイドラインに従い、病気の進行度に照らし腹腔鏡手術の適応を患者様と相談しています。早期がんと進行がんの一部が腹腔鏡下手術の適応になります。

術中内視鏡画像

手術創の位置

胃切除後の創部

腹腔鏡下大腸切除術のお話

大腸癌では近年ほとんどの病院で腹腔鏡手術が取り入れられています。これは手術手技の確立と、術後の早期回復、さらには高精度画像下で繊細な手術が可能であることなどによると思われます。 当院でも早くから同術式を採用しており、2019年では大腸癌手術の約80%を腹腔鏡下で行っています。

手術創の位置

術後の創部

術中内視鏡画像

腹腔鏡下食道切除術のお話

食道癌手術は消化器がんの手術の中でも体に対する侵襲の大きなものの一つです。従来法の手術では胸部・頸部・腹部に大きな傷を作る必要があります。近年普及しつつある胸腔鏡下手術では胸部に5ミリから10ミリの小さな孔をあけ手術を行います。痛みが少なく手術侵襲が小さいため、術後に肺関連の合併症が少なくなるというメリットがあると言われています。当院でも進行度に合わせ、積極的に食道癌に対する胸腔鏡、腹腔鏡手術を行っております。

手術創部の位置:横

手術創部の位置:正面

術中内視鏡画像


婦人科 4種類の手術のお話

腹腔鏡視下卵管切除術のお話

子宮外妊娠の多くは受精卵が卵管に着床して起こる卵管妊娠です。子宮外妊娠はお腹の中でたくさんの出血を起こす場合があり、時には命にかかわることもある疾患ですが、診断が難しいという特徴もあります。超音波検査やMRIや血液検査などから子宮外妊娠が疑わしい場合には手術で子宮外妊娠部位を摘出することを考慮します。腹部に3-10mmの小さな創を4か所前後つくって手術を行い、卵管は袋に入れた状態でお臍から回収します。
当科では条件(夜間ではない、全身状態がよいetc)を満たせば、腹腔鏡視下手術を行い早期退院に努めています。

腹腔鏡視下卵巣腫瘍核出術/附属器摘出術のお話

術前にMRIなどで良性が見込まれる卵巣腫瘍に対しても、多くの症例で腹腔鏡手術を行っています。卵巣を温存する手術(卵巣腫瘍核出術)も卵巣を温存しない手術(附属器摘出術)も行っております。腹部に5-10mmの小さな創を4か所前後つくって手術を行い、腫瘍は袋に入れた状態で小さく切ってお臍から回収します。
尚、茎捻転などで緊急性のある場合には条件が揃えば腹腔鏡手術で対応しています。

腹腔鏡視下筋腫核出術のお話

妊娠を考えておられる方が筋腫摘出の必要があると判断された場合、サイズや数や部位の条件を満たせば腹腔鏡視下操作で筋腫をとる手術(筋腫核出術)を行っています。腹部に5-10mmの小さな創を4か所前後つくって手術を行い、筋腫は袋に入れた状態で小さく切ってお臍から回収します。
術前に一時的に卵巣機能をおさえる注射を行うため、3〜6月前から準備をしてゆきます。

腹腔鏡視下子宮全摘術のお話

子宮筋腫や腺筋症などがあって貧血や生理痛で困っている方の場合、子宮のサイズや形の条件を満たせば、腹腔鏡視下操作で子宮をとる手術を行っています。腹部に5-10mmの小さな創を4か所前後つくって手術を行い、子宮は膣から回収します。
術前に一時的に卵巣機能をおさえる注射を行うため、3〜6月前から準備をしてゆきます。

減量手術外来

減量手術とは

高度肥満が原因で高血圧、糖尿病、高脂血症などの病気を併発している状態を肥満症といいます。

減量手術は、肥満症による健康障害に対して、これを防止、あるいは軽減することを目的に胃を小さく切除したりする手術です。胃の容量を小さくすることで食事摂取量を減らして減量効果を期待します。また切除される胃の部分には食欲を刺激 するグレリンというホルモンを分泌する細胞があるため…

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2016年6月 4K腹腔鏡手術システムを導入しました。

2016年6月 4K腹腔鏡手術システムを導入しました。

当院では愛知県で最も先駆けて高解像度4K腹腔鏡システムを導入しております。従来のフルハイビジョン映像のさらに4倍の解像度となります。この高画質の映像により、より精緻な手術が可能となっております。

太さ5mmの細いカメラ(傷がさらに小さくてすみます)や最新の鮮明なハイビジョン画像を映し出せるカメラモニターも備えています。

お腹にあけた小さな穴から、先端が様々な用途に合った形状をした細長い機械を挿入して手術を行います。

「手術風景」
全員が拡大された詳細な映像を共有して見ることが出来るのも腹腔鏡手術の利点の一つになります。

腹腔鏡手術センターの設立以来さらに最新手術機材が十分に拡充されています。

クリニカルパス

外科

  • ヘルニア根治術
  • 副腎摘出術

呼吸器外科

  • 胸腔鏡下肺部分切除術

泌尿器科

  • 腹腔鏡下腎摘出術
  • 腎部分切除術
  • 尿管切除術

婦人科

  • 腹腔鏡下異所性妊娠手術
  • 腹腔鏡下卵管切除術
  • 腹腔鏡下卵巣嚢胞核出術
  • 腹腔鏡下付属器摘出術
  • 腹腔鏡下子宮全摘術
  • 腹腔鏡下筋腫核出術
  • 腹腔鏡補助下卵巣嚢腫摘出術
  • 腹腔鏡補助下付属器摘出術
  • 腹腔鏡下子宮悪性腫瘍手術(子宮体癌)

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