グローバルナビゲーションへ

本文へ

フッターへ


診療科・部門紹介

内視鏡センター


消化器の全領域に対応する安全かつ最先端の内視鏡診療を目指して

内視鏡センター長
藤田 孝義


■ 資格
  • 医学博士
  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本消化器病学会認定専門医・指導医
  • 日本消化器内視鏡学会指導医
  • ICD
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • 緩和ケア研修会終了
  • 臨床研修指導医講習会終了


センター長あいさつ

内視鏡センター長
藤田 孝義

消化器の全領域に対応する安全かつ最先端の内視鏡診療を目指して
「地域の皆さまに質の高い消化器内視鏡診療を提供する」、そんな思いから2016年に当センターが開設されました。現在、診断的内視鏡と治療的内視鏡を合わせて、年間約6,000件の診療を行なっており、食道、胃、大腸、胆膵領域のほか小腸疾患の診療(カプセル内視鏡やバルーン内視鏡)も行っています。消化器内視鏡技術は年々高度化しておりますが、これに遅れを取らぬよう、学会参加等でスタッフ一同、日々研鑽を積み重ねています。

内視鏡センターの業務は多岐に亘りますが、主なものを2つ紹介します。1つ目は、大腸がん検診です。人口の高齢化で大腸がんは増加傾向にありますが、進行するまでは無症状ですので、便潜血法を用いたスクリーニング、便潜血陽性(血便がある)の方への大腸内視鏡が有用です。大腸内視鏡時に小さながんが発見された場合はその場で治療可能(内視鏡的粘膜切除術EMR)ですし、他にポリープ(腺腫=前がん病変です)がある場合も切除ができてしまいます。市の補助制度を活用して大腸がん検診を受けられると良いと思います。2つ目は、緊急入院が必要となる急性胆管炎の治療です。
救命救急センターと連携しながら迅速な診断・治療を行っています。胆管炎では中等症以上の方には内視鏡的胆道ドレナージが必要になります。内視鏡治療で溜まっていた膿(感染胆汁)が排泄されると患者さんの症状が劇的に良くなります。

近年力を入れているのが、患者さんのキズや痛みを最小限に抑えた低侵襲治療です。消化管がんに対する内視鏡的粘膜下層剥離術ESDや内視鏡的ステント留置術を積極的に行っています。内視鏡的ステント留置術は治療が短時間で済み患者さんの症状緩和にとても有効です。また、2019年からは肝臓がんに対する経皮的ラジオ波焼灼療法RFAに積極的に取り組んでおり、年間30例ほど行っています。

当センターでは、患者さん一人ひとりの状態や価値観に応じた最適かつ安全な消化器内視鏡診療を提供できるよう全力で取り組んでまいります。また、近年では重篤な疾患を有する患者さんにも内視鏡診療を行う機会が増えていますので、スタッフ一人一人が医療安全を意識し事故防止にも取り組んでいきたいと思います。

「胃カメラや大腸カメラは、辛そうだし不安だな」とお感じになられる方も多いと思いますが、スタッフがチーム医療で患者さんの苦痛を和らげるよう取り組んでいます。不安な点がありましたら、どうぞお気軽にスタッフへお伝えください。

内視鏡室センターのご案内

患者さんが不安なく安全に検査や治療を受けられるよう、看護技術はもちろん、感染管理にも留意しながら、看護師、助手合わせて18名のスタッフで内視鏡看護を提供させていただいております。内視鏡診療はリスクも伴い、少しの苦痛なく楽にできるものとは言い難いですが、専門分野のスタッフとしてチーム医療を掲げ、医師や放射線技師とお互いに協力しながら安全・安楽を第一にして患者さんをサポートいたします。当センタースタッフの笑顔と適切な看護が皆さまの安心につながれば、と祈念しています。内視鏡診療に関して不安な点はスタッフまで、どうぞご遠慮なくお伝えください。

内視鏡施行時の鎮静(静脈麻酔)について

当センターでは、内視鏡への不安や内視鏡施行中の苦痛緩和のために鎮静剤(眠り薬)を使用しての内視鏡診療を受けることが出来ます。内視鏡後はリカバリーベッドで覚醒後の安全が確認できるまで経過観察を行います(おおよそ90~120分)。ただし、鎮静剤を使用する場合は、検査当日中の乗り物(自動車・自転車など)の運転および高所作業など危険作業の禁止を条件としています。なお、鎮静の副作用として呼吸抑制、低血圧、徐脈、覚醒遅延、誤嚥などが生じることがあります。

リカバリー

 内視鏡的粘膜下層剥離術(Endoscopic submucosal dissection;ESD)について

内視鏡的粘膜下層剥離術(Endoscopic submucosal dissection;ESD)について ~早期がんに対する消化管をのこし機能を温存する新しい内視鏡治療~


ESDに用いられる器械
※オリンパスおなかの健康どっとコムより引用
近年の内視鏡治療の進歩により粘膜内にとどまる早期癌に対して内視鏡的切除できるようになってきました。早期癌の内視鏡の治療は、病変の周囲に局注液で膨隆させてからスネアで切除する内視鏡的粘膜切除術(EMR)が普及しておりました。しかしながら、大きな病変では分割切除になることもあり、病理検査で詳細な評価が困難な場合もありました。現在では内視鏡治療の進歩により、大きな病変でも一括で切除できる内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)をおこなわれ、正確な病理評価ができるようになりました。2006年に早期胃癌、2008年に早期食道癌、2012年に早期大腸癌に保険適応に認定されるようになり、体に負担の少ない低侵襲医療されるようになってきています。
当院では早期胃がんにおける多くのESDの経験をもとに 消化管の壁が薄く比較的手技の難易度が高い 食道がんや大腸癌においてもリンパ節転移の可能性の低い早期がんに対してもESDを実施しております。

ESDの原理

胃癌を理解するうえで、胃の構造からお話しします。胃の壁は内腔側より粘膜層、粘膜筋板、粘膜下層、筋層、漿膜下層、漿膜の6層からできており、早期胃癌は粘膜層か粘膜下層にとどまるもので、進行胃癌は筋層以上の深い層まで浸潤したものをいいます。早期胃癌のなかでも粘膜下層にとどまっている癌はリンパ節転移がほとんどないといわれており、内視鏡治療が可能な場合があります。胃癌治療ガイドラインでは内視鏡治療の適応は、胃癌の深達度、分化度、大きさなどにより決められています。

1.マーキング
内視鏡を胃の中に入れ、病変の周辺に切り取る範囲の目印をつける。

2.局注
粘膜下層に薬剤を注入して浮かせた状態にする

3.切開
マーキングを切り囲むようにナイフで病変部の周囲の粘膜を切る

4.粘膜下層の剥離(はくり)
専用ナイフで病変を少しずつ慎重にはぎとる

5.切除完了
ナイフを使って最後まで剥離(はくり)する、または最後にスネアで切り取る。

6.止血
切り取ったあとの胃の表面に止血処置を施し、切り取った病変部は病理検査に出すため回収する

7.病理検査
切り取った病変は顕微鏡による組織検査をし、根治しているかどうかの判断をする

実際の手技

早期胃がんに対するESD
ESDは近年飛躍的に技術や器具の進歩がみられる、早期がんに対する機能温存治療です。 ESDについてお問い合わせ・ご質問等につきましては消化器内科外来までご連絡ください。

当院での内視鏡的粘膜下層剥離術の件数

合計 食道 大腸
2015年度 62 2 38 22
2016年度 88 4 46 38
2017年度 84 5 43 36
2018年度 96 9 48 39
2019年度 119 7 73 39
2020年度 92 8 52 32
2021年度 132 12 69 51

設備ギャラリー

内視鏡センター入口

内視鏡センター内

大腸内視鏡前処置室 10室

検査の説明

透視室 2室

内視鏡室 3室

リカバリー 5ベッド

内視鏡洗浄消毒装置 6機


  1. ホーム
  2.  >  診療科・部門紹介
  3.  >  センター
  4.  >  内視鏡センター
TOP