麻酔について
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麻酔の種類
手術をおこなうためには、何らかの麻酔が必要です。
手術の内容に応じて次の4種類の麻酔が単独あるいは組み合わせておこなわれます。
手術の内容に応じて次の4種類の麻酔が単独あるいは組み合わせておこなわれます。
1. 全身麻酔
2. 硬膜外麻酔
3. 腰椎麻酔(脊髄くも膜下麻酔)
4. 局所麻酔(神経ブロック・局所浸潤麻酔)
2. 硬膜外麻酔
3. 腰椎麻酔(脊髄くも膜下麻酔)
4. 局所麻酔(神経ブロック・局所浸潤麻酔)
1. 全身麻酔
全身麻酔は大きく分けて4つの要素で構成されます。
A. 眠っていること |
Aの目的を達成するため、全身麻酔薬を使います。 全身麻酔薬にはガスの麻酔薬と注射の麻酔薬があります。ガスの麻酔薬の場合は麻酔中に使用される酸素や空気に混ぜて身体に取り込まれ、注射の麻酔薬の場合は点滴をとおして身体に入っていきます。全身麻酔薬は常に体内で代謝・排出されるので、手術中継続して投与します。 |
B. 動かないこと |
Bの目的を達成するため、筋弛緩薬を使うことがあります。 筋弛緩薬は呼吸をするための筋肉を含む全身の筋肉を動かなくする作用があります。そのため筋弛緩薬を使用すると人工呼吸をする必要があります。人工呼吸をするために、口や鼻をとおしてチューブを入れます。 |
C. 痛みを感じないこと |
Cの目的を達成するため、鎮痛薬を使用し、手術の内容によっては硬膜外麻酔などの鎮痛法を全身麻酔に組み合わせておこないます。 |
D. 手術による身体への影響を抑えること |
Dの目的を達成するため、血圧・心拍数・血糖値などを調節する薬を使用することがあります。 |
2. 硬膜外麻酔
硬膜外麻酔は脊髄の近くの硬膜外腔という場所に局所麻酔薬などを投与し、傷口から脳へ向けて伝えられる痛みの感覚をブロックする鎮痛法です。背中から硬膜外腔にチューブを入れるので、数日間にわたって術後鎮痛に使用することができます。
全身麻酔に併用して硬膜外麻酔をおこなう場合と硬膜外麻酔単独で手術をおこなう場合があります。
全身麻酔に併用して硬膜外麻酔をおこなう場合と硬膜外麻酔単独で手術をおこなう場合があります。
3. 脊椎麻酔(脊髄くも膜下麻酔)
脊椎麻酔(脊髄くも膜下麻酔)は脊髄と髄液をつつむ「くも膜」の中に局所麻酔薬などを投与し、傷口から脳へ向けて伝えられる痛みの感覚をブロックする鎮痛法です。
硬膜外麻酔と似た麻酔法ですが、硬膜という膜を隔てて脊髄に近い場所に薬を投与するため、脊椎麻酔(脊髄くも膜下麻酔)のほうが強力な効果がえられます。ただし、硬膜外麻酔のようにチューブを入れて術後の鎮痛に使用することはできません。
硬膜外麻酔と似た麻酔法ですが、硬膜という膜を隔てて脊髄に近い場所に薬を投与するため、脊椎麻酔(脊髄くも膜下麻酔)のほうが強力な効果がえられます。ただし、硬膜外麻酔のようにチューブを入れて術後の鎮痛に使用することはできません。
4. 局所麻酔(神経ブロック・局所浸潤麻酔)
傷口に伝わる神経に注射をして局所麻酔薬を作用させたり、傷口となる場所に局所麻酔薬を注射する方法です。
手術別麻酔
あなたの手術はどんな麻酔でおこなわれる?
全身麻酔をすれば、非常に大きい手術から小さい手術までおこなうことができます。しかし局所麻酔や脊椎麻酔(脊髄くも膜下麻酔)で十分おこなえる手術を全身麻酔ですると、かえって身体の負担になることがあります。
おおまかに分類すると、「長い手術・大きな手術」は1. 全身麻酔(2. 硬膜外麻酔を組み合わせることもあります)、「下腹部より下が傷口となる手術」は2. 硬膜外麻酔や3. 脊椎麻酔(脊髄くも膜下麻酔)、「小さな手術」は4. 局所麻酔(神経ブロック・局所浸潤麻酔)でおこなわれます。
一方で、手術をうける方の年齢・身体状況や内服している薬の内容によっては、小さい手術でも全身麻酔でおこなうほうがふさわしい場合もあります。手術を受ける方の身体状況に応じて、麻酔担当医が適切だと判断した麻酔法について手術前に説明します。
おおまかに分類すると、「長い手術・大きな手術」は1. 全身麻酔(2. 硬膜外麻酔を組み合わせることもあります)、「下腹部より下が傷口となる手術」は2. 硬膜外麻酔や3. 脊椎麻酔(脊髄くも膜下麻酔)、「小さな手術」は4. 局所麻酔(神経ブロック・局所浸潤麻酔)でおこなわれます。
一方で、手術をうける方の年齢・身体状況や内服している薬の内容によっては、小さい手術でも全身麻酔でおこなうほうがふさわしい場合もあります。手術を受ける方の身体状況に応じて、麻酔担当医が適切だと判断した麻酔法について手術前に説明します。
情報収集のすすめ
現在では多くの病院がホームページを開設し、様々な医療行為について解説しています。当然、麻酔に関するサイトもたくさんあります。いざ麻酔担当医から説明を受けた時に、「何を質問したらいいのか分からない」ということがよくあります。機会があれば、あらかじめ麻酔に関するサイトを閲覧し、情報収集しておくことをおすすめします。