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内視鏡センター


内視鏡センターのご案内

内視鏡センターは、市民の皆様に質の高い内視鏡診療を提供することを目的として2016年に開設されました。現在、年間約6000件の消化器内視鏡診療を行っています。救命救急センターに隣接し、一般内視鏡診療のほか内視鏡的消化管止血術や内視鏡的胆道ドレナージなど当院における高度急性期診療の一郭を担っています。また消化器がんに対する高度で低侵襲(きずが小さく、痛みが少ない)な内視鏡治療にも積極的に取り組んでおり、年間100例を超す内視鏡的粘膜下層切除術や、50例程度の消化管ステント留置術を施行しています。
さらに、2019年からは肝がんに対する低侵襲治療であるラジオ波焼灼療法も積極的に行っています。近年では、高齢者や重篤な併存疾患を有する患者さんに治療内視鏡を行う機会が増えており、患者さんの医療安全の確保にもチームで取り組んでいます。

看護局から

患者さんが不安なく安全に検査や治療を受けられるよう、看護技術はもちろん、感染管理にも留意しながら、看護師、助手合わせて18名のスタッフで内視鏡看護を提供させていただいております。内視鏡診療はリスクも伴い、少しの苦痛なく楽にできるものとは言い難いですが、専門分野のスタッフとしてチーム医療を掲げ、医師や放射線技師とお互いに協力しながら安全・安楽を第一にして患者さんをサポートいたします。当センタースタッフの笑顔と適切な看護が皆さまの安心につながれば、と祈念しています。内視鏡診療に関して不安な点はスタッフまで、どうぞご遠慮なくお伝えください。

内視鏡施行時の鎮静(静脈麻酔)について

当センターでは、内視鏡への不安や内視鏡施行中の苦痛緩和のために鎮静剤(眠り薬)を使用しての内視鏡診療を受けることが出来ます。内視鏡後はリカバリーベッドで覚醒後の安全が確認できるまで経過観察を行います(おおよそ90~120分)。ただし、鎮静剤を使用する場合は、検査当日中の乗り物(自動車・自転車など)の運転および高所作業など危険作業の禁止を条件としています。なお、鎮静の副作用として呼吸抑制、低血圧、徐脈、覚醒遅延、誤嚥などが生じることがあります。

 

内視鏡的粘膜下層剥離術(Endoscopic submucosal dissection;ESD)について ~早期がんに対する消化管をのこし機能を温存する新しい内視鏡治療~


ESDに用いられる器械
※オリンパスおなかの健康どっとコムより引用
近年の内視鏡治療の進歩により粘膜内にとどまる早期癌に対して内視鏡的切除できるようになってきました。早期癌の内視鏡の治療は、病変の周囲に局注液で膨隆させてからスネアで切除する内視鏡的粘膜切除術(EMR)が普及しておりました。しかしながら、大きな病変では分割切除になることもあり、病理検査で詳細な評価が困難な場合もありました。現在では内視鏡治療の進歩により、大きな病変でも一括で切除できる内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)をおこなわれ、正確な病理評価ができるようになりました。2006年に早期胃癌、2008年に早期食道癌、2012年に早期大腸癌に保険適応に認定されるようになり、体に負担の少ない低侵襲医療されるようになってきています。
当院では早期胃がんにおける多くのESDの経験をもとに 消化管の壁が薄く比較的手技の難易度が高い 食道がんや大腸癌においてもリンパ節転移の可能性の低い早期がんに対してもESDを実施しております。

ESDの原理

胃癌を理解するうえで、胃の構造からお話しします。胃の壁は内腔側より粘膜層、粘膜筋板、粘膜下層、筋層、漿膜下層、漿膜の6層からできており、早期胃癌は粘膜層か粘膜下層にとどまるもので、進行胃癌は筋層以上の深い層まで浸潤したものをいいます。早期胃癌のなかでも粘膜下層にとどまっている癌はリンパ節転移がほとんどないといわれており、内視鏡治療が可能な場合があります。胃癌治療ガイドラインでは内視鏡治療の適応は、胃癌の深達度、分化度、大きさなどにより決められています。

1.マーキング
内視鏡を胃の中に入れ、病変の周辺に切り取る範囲の目印をつける。

2.局注
粘膜下層に薬剤を注入して浮かせた状態にする

3.切開
マーキングを切り囲むようにナイフで病変部の周囲の粘膜を切る

4.粘膜下層の剥離(はくり)
専用ナイフで病変を少しずつ慎重にはぎとる

5.切除完了
ナイフを使って最後まで剥離(はくり)する、または最後にスネアで切り取る。

6.止血
切り取ったあとの胃の表面に止血処置を施し、切り取った病変部は病理検査に出すため回収する

7.病理検査
切り取った病変は顕微鏡による組織検査をし、根治しているかどうかの判断をする

実際の手技

早期胃がんに対するESD

当院での内視鏡的粘膜下層剥離術の件数

2015年度 62例(食道2例、胃38例、大腸22例)
2016年度 88例(食道4例、胃46例、大腸38例)
2017年度 84例(食道5例、胃43例、大腸36例)
2018年度 96例(食道9例、胃48例、大腸39例)
2019年度 119例(食道7例、胃73例、大腸39例)
ESDは近年飛躍的に技術や器具の進歩がみられる、早期がんに対する機能温存治療です。 ESDについてお問い合わせ・ご質問等につきましては消化器内科外来までご連絡ください。